私たちの暮らしのすぐそばにあり、生活を支えるアスファルトですが、一般に自分で舗装などを行う事がないため、そのサイクルについてはあまり知られていません。アスファルトはどのように作られて、また廃棄されてゆくのでしょうか。まず、アスファルトは原油を原料として生産されています。作られる場所はアスファルト混合所というプラントです。ここで様々な混合物と加工され、舗装などに使われるアスファルトができるのです。こうした工場では、環境に配慮した様々な取り組みがなされています。ひとつは製造時のエネルギー消費量を減らし、二酸化炭素の排出を削減する取り組みが行われています。また、材料を破砕する際に出る騒音なども、工場全体を建屋で覆うなどの対策がなされています。アスファルトは再生利用率が非常に高く、傷んだ道路から撤去されたアスファルトは、新たなアスファルトとして98%もの割合でリサイクルされています。こうした再生率の高さが、道路の舗装材料として使用しやすい要因のひとつとなっています。また、日本は地域によって多様な気候を持ち、交通量などの使用環境も変化が激しい事から、要求される性能に違いがあります。そのため日本のアスファルトは世界に類を見ないほど多品種となっています。一見どれも同じに見えるアスファルトですが、その混合物や製造過程において工夫を凝らした、求められる性能を持つ様々なアスファルトが使用されているのです。