日本の道路ではほとんどの場所でアスファルト舗装が施されています。防水性や衝撃を吸収する機能に優れたアスファルトはそれだけ高い信頼を得ていて、長くそれに変わる新素材が現れていないというのが道路舗装の実態なのです。では、そのアスファルトとはどんな姿をしているものでしょうか。こう聞くと先のアスファルト舗装がされた道路のイメージから、ゴロゴロした黒い砂利状の形を想像する人もいるかもしれません。ですが、それは砂利や砂をアスファルトに混ぜたものです。本来のアスファルトは多くの用途で液状の形で使用されています。 もともと、アスファルトの使用は紀元前3000年頃のエジプト時代から確認されていますが、その用途は主に接着材やミイラの防腐剤としてでした。コーティング能力に優れたアスファルトはその後も液状での使用が広まり、建物の屋根などにある隙間を埋める防水材や、部品の設置に際しての接着剤や緩衝材として使われていたのです。さらにそこから派生して、アスファルトをシートなどの別の材料に染み込ませる、アスファルトの中に何かを混ぜるといった工法が生まれ、近年目にする道路のアスファルト舗装などが行われるようになりました。アスファルトはこのように液状の素材であるが故に様々な使い方が考えられ、成分比などを調節する研究なども続けられています。見た目も性質も多様に変化したアスファルトは今日も新たに生まれ続けているのです。