近年住宅の駐車場などにはセメントを使用したポーラスコンクリート舗装だけでなくアスファルトが使用されることが増えてきました。
そんなアスファルトの表面に亀裂が入っているのを見たことがありますか?一般道などではアスファルトのひび割れをこまめに修理し、補修痕の黒い曲線が道路にいくつもできています。
大きな損傷ではないのにこまめに直すのには理由があります。そしてその補修は意外にも簡単に行うことができます。
自宅に使用されているアスファルトも、店舗に売っている商品を使えば修理費用を抑えつつ自分で修理することが可能です。
ここではアスファルトの補修に使用される機械や補修材、3タイプの補修材それぞれの使用場所や使用方法、ひび割れを放っておくことで生じる事故の可能性について説明します。
アスファルトを補修する方法と使用される機械
アスファルトのひび割れやへこみは、劣化具合に合わせた補修材やアスファルト補修用の機械を使用して補修します。
ここではアスファルトの補修方法について、補修に使用される補修材について、効率的に綺麗な仕上がりにするための機械について説明します。
アスファルトの補修方法
アスファルトは劣化の状態によって補修材が変わってきます。
アスファルトの劣化には、ひび割れ、剥がれ、車の重みによるへこみなどがあります。ひび割れは初期であれば、市販の補修材をひびの部分に流し込み、隙間を埋めることで簡単に補修することができます。
しかし、ひびの深さによっては補修材を変えなければなりません。
劣化部分の大きさや必要な厚みなどが変わってくるため劣化に合わせて補修材・機械を選ぶ必要があります。
補修に使用される補修材
アスファルトの補修には以下の補修材が使用されることが多いです。
・シートタイプ
・スティックタイプ
・パッチ剤
使い方は後ほど詳しくご説明します。
効率的かつきれいに補修するために使用される機械
機械を使用することでアスファルトの補修を効率的かつ綺麗に行えます。
▽転圧機
転圧機とは乱れた地面を転圧し平らにするための機械です。転圧機には以下のように様々なタイプのものがあります。
・振動ローラー
・コンバインドローラー
・タイヤローラー
▽溶解釜
溶解釜は固形になっているアスファルトを熱し溶かすための機械です。
タイヤがついており移動ができるトラクターのような大きさのものや、小さいタイヤが付いている小型溶解釜などがあります。
▽舗装切削機
舗装切削機はひび割れなどを起こしている部分のでこぼこを削るための機械です。
取っ手を持ち地面の上で本体部分を押してでこぼこを削っていきます。
ひび割れの補修に使われる3タイプの補修材と使い方
ひび割れの補修に使用する補修材には大きく3つのタイプがあります。損傷の具合によって適切な補修材が変わってきます。
ここではアスファルトのひび割れ初期に使用する補修材、大きなひび割れに使用する補修材、損傷の大きなアスファルトへ使用する補修材についてそれぞれ説明します。
アスファルトのひび割れ初期はシートタイプを使う
ひびの深さが浅いひび割れ初期はシートタイプの補修材を使用します。
シートタイプは補修したい場所へシートを張り付け剥離シールをはがし、その後熱することで補修ができるタイプの補修材です。
ひび割れ初期に補修してしまうことで舗装の寿命を延ばすこともできます。
▽使用できる場所
シートタイプは様々な気候条件で使用できるよう作られており、3mm未満の浅いひび割れであれば使用できます。ただし水分とほこりがある場合は接着が上手くいかないため施工場所の状態には注意が必要です。
▽使用方法
1.エアコンプレッサーなどを使用してひび割れ内部とその周りのゴミやほこり取り除く
2.ひび割れの上にシートを貼り付ける
3.ローラーで圧着する
4.剥離シールをはがす
5.ハンドバーナーなどで炙って路面となじませる
大きなアスファルトのひび割れにはスティックタイプを使う
ひびの深さが3mm~5mmの深いひび割れにはスティックタイプの補修材を使用します。
スティックタイプは熱して柔らかくなった補修材を補修したい場所へ流し込むことで補修ができるタイプの補修材です。
▽使用できる場所
タイヤの摩擦が発生する場所や極度の摩耗が予測される場所に向いています。ただしシートタイプ同様、水分とほこりには弱いため、施工部分の状態を確認し手から使用しましょう。
▽使用方法
1.エアコンプレッサーなどを使用してひび割れ内部とその周りのゴミやほこり取り除く
2.スティックをハンドバーナーなどで熱し柔らかくする
3.ひびに流し込む
4.乾くのを待つ
損傷が激しいアスファルトの補修にはパッチ剤を使う
ひび割れだけではなく砕けてしまっている場合やへこんでしまっている場合には、パッチ剤を使用します。
パッチ剤は機械を使用しなくてもスコップや自身の体重のみで補修できるため、手軽に取り入れられるタイプの補修材です。
▽使用できる場所
天候に左右されない素材なので、気温の高い日や低い日、雨や雪の日にも施工できます。吸着性が高くコンクリートや鉄ともなじみ、マンホールの周りなどでも使える優れものです。
▽使用方法
1.施工箇所の掃除を行い水や油、土や砂、小石などを取り除く
2.少し盛り上がるように補修箇所へ多めのパッチ剤を敷き詰める
3.スコップなどで敷き均す。
4.スコップの背でたたくなどして転圧する
アスファルトのひび割れは補修のサイン
アスファルトは長く使用していることで小さなひび割れが生じてきます。車両の走行や駐車、歩行に支障がないと放っておいては危険です。
小さなひび割れが大きな損傷に繋がり、最悪の場合事故が起こってしまうこともあります。
アスファルトのひび割れが見つかった時は補修のサインだと思いへこみや気になる箇所を補修しましょう。
ここではアスファルトにひび割れが起こる原因やひび割れ以外の劣化現象、劣化箇所の放置によって生じる危険性について説明します。
アスファルトにひび割れが起こる原因
アスファルト劣化の原因は寿命以外にも環境や使用状況など様々です。中でも多い原因は以下のようになっています。
・落下物などによる損傷
・日光に含まれる紫外線による材料の分解
・高温状態の連続による成分の分解
・低温状態における高度の上昇による劣化
このように外的要因だけでなく光や気温によって劣化のスピードが速められてしまいます。
ひび割れ以外の劣化現象
ひび割れ以外の劣化現象には段差や轍掘れなどがあります。
段差は名前の通りアスファルトの損傷により段差ができてしまうことです。
轍掘れは、高温によりアスファルトの成分が柔らかくなり、その上を車両が走行することで流動し生じます。
車両などの重みによって生じるので、停車している時間が多い場所ほど轍掘れがひどくなります。
そのため交差点や駐車場、ガレージなどで起こりやすい劣化現象です。
劣化箇所を放置すると・・・
車の走行などにより浅いひび割れができてしまった場合はすぐに補修するようにしましょう。
初期は浅かったひび割れも、放置しておくことで症状が悪化してしまいます。ひび割れに車の重みなどの圧力が加わることでどんどんひびが広がっていってしまい、結果ポットホールと呼ばれる大きなくぼみや穴になってしまうこともあります。
ポットホールの上を車やバイクが走行するとタイヤが引っかかりハンドルが取られたり、歩行者はつまずいて転んでしまったりすることもあります。
小さなひび割れを放っておくことで大きな事故へつながることもあります。ひび割れを見つけたときはこまめに補修し事故の発生を防ぎましょう。
まとめ
アスファルトを補修する際のポイントは以下のようになっています。
・アスファルトの損傷具合によって適切な補修材の種類が変わってくる
・浅いひび割れにはシートタイプを使用する
・深いひび割れにはスティックタイプを使用する
・損傷が大きい場合はパッチ剤を使用する
・効率的かつ綺麗に補修するためには専用の機械を使用する
・小さなひび割れを放置しておくことで大きな損傷や事故につながるため早期補修を行う
大きな事故につながる可能性もあるアスファルトの損傷。へこみやひび割れに気づいた時にはすぐに補修し事故を防ぎましょう。